葬儀というものは宗派や宗教によって形式が違ってくるものです。まずはそのことをよく弁えておくことが大切でしょう。しかし、例えば身内の葬儀の際に、冠婚葬祭に詳しいと自負している遺族や親戚などがいらっしゃって、色々と指示を出してくることも少なくありません。そうした方の指示に従わなければいけない、というように思われるかもしれませんが、導師をお願いする宗派や宗教によってはそうした方の考えが全く合致しない場合があります。

それはお花一つとってもそうです。綺麗な祭壇で亡くなった方を送りたい、と思うのは当然でありましょうが、宗派によっては白い花でなければならない、とか、樒というお華でなければならない、とか様々な決まり事があります。それを無理に鮮やかな色の付いたお花で祭壇を組む、というようなことがあっては、導師に対する大変な失礼となります。場合によっては導師を断られることもありますので、まずは葬祭業者によく確認をしてもらうことが大切です。

冠婚葬祭に色々と口を出してこられる方には葬祭業者からよく説明をしてもらえるようにお願いしておくことも必要でありましょう。葬儀というものは導師が亡くなった方と神仏への橋渡しをするものです。自分達が送ると思えばこそ、自分達の考えに執着してしまいますが、自分達が導師にお願いをして橋渡しをしていただく、と思えば、そのようなことにはならないのではないでしょうか。葬儀は亡くなった方のための最後の儀式です。

我を押し通すのではなく、導師に全てを任せることが本当の意味での良い葬儀となると申せましょう。

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