子どもの頃は人の死に遭遇することは滅多にありません。また、想像もしたことがないという人が多いものです。私もそうでした。人が死ぬというのはお話の中だけのことのように感じていたのです。

そんな私が初めて葬儀に出席したのは、小学1年生の時でした。父の方の祖父が亡くなったのです。祖父は田舎に一人で住んでいたこともあり、学校を休んで田舎に行くことになりました。田舎には親戚がたくさん住んでいるので、葬儀の準備は大人たちがやってくれました。

私たち子どもは従姉妹たちと遊んでいた記憶があります。特に何もせず、棺に何か入れるということになった時、呼ばれただけでした。私自身、まだ1年生ということもあり、祖父と過ごした時間はわずかです。夏休みやお正月などに田舎へ帰った時、接するだけでした。

そのため、あまり祖父の印象がなかったのです。それでも、棺に入っている祖父を見た時、悲しい気持ちは湧いてきました。全く身動きもせず、ただ横たわっている祖父を見て、子どもながらにもう会えないということに気付いたのだと思います。従姉妹たちと折った折り鶴を棺の中に入れてお別れをしました。

その後、葬儀そのものには大人たちが出席し、また私は従姉妹たちと部屋でおとなしく遊んでいたことを覚えています。きらびやかな車に乗って、祖父は火葬場と行ってしまいました。こんなふうに低学年のことでも記憶はあります。それだけ印象的だったのでしょう。

また、子どもながらに寂しく悲しい気持ちがしばらく続いた記憶があります。

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